2015年に制作された映画「リリーのすべて」は、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話を描いた作品です。
この映画の撮影はデンマーク・コペンハーゲンで行われました。
今回は、そのロケ地を巡ってきました。
- ゲルダとアイナーが暮らす港 「ニューハウン(Nyhavn)」
- 展示会後に2人で帰宅する路地「スネアゲード(Snaregade)」
- アイナーがダンサーで絵のモデル・ウラを訪ねる劇場「ステアカッセン(Stærekassen)」
- ゲルダが画商に自分の絵を持っていく際に通り過ぎる建物「旧証券取引所(Børsen)」
- アイナーが“リリー”としてパーティーに参加する場所「シャルロッテンボー宮殿(Charlottenborg Palace)」
- リリーと曖昧な関係を始める相手ヘンリックの家「ニーボーダー(Nyboder)」
- パリのゲルダの自宅「フレデリクスゲード(Frederiksgade)」
- アイナーが調べ物をする図書館「コペンハーゲン大学(Copenhagen University)」
- アイナーが訪ねる教授の診療所「コペンハーゲン市庁舎(Copenhagen City Hall)」
映画「リリーのすべて」は実話
映画「リリーのすべて」は2015年に製作された、エディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)主演の映画。
本作は実話をもとにした映画となっています。
妻を演じたアリシア・ヴィキャンデル(Alicia Amanda Vikander)のアカデミー賞助演女優賞をはじめ、その他の映画賞で計8個もの賞を受賞しました。
原作は世界初の性別適合手術を受けた人物・リリー・エルベ(Lili Elbe)を題材とした、デヴィッド・エバーショフによる小説『The Danish Girl(リリーのすべて)』。
※今回の記事に出てくるロケ地と原作は関係ありません。
「リリーのすべて」作品情報
予告動画
基本情報
原 題 :The Danish Girl
製作年 :2015年
製作国 :イギリス、アメリカ、ドイツ
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
上映時間:1時間59分
年齢制限:R15+
監 督 :トム・フーパー
原 作 :デヴィッド・エバーショフによる同名小説
受賞歴 :第88回アカデミー賞助演女優賞(アリシア・ヴィキャンデル)など
あらすじ
1926年デンマークの首都コペンハーゲン。
肖像画家のゲルダ・ヴェイナーは、風景画家の夫・アイナー・ヴェイナー暮らしていました。
ある日、ゲルダが制作中の絵の女性モデルのウラが来られなくなり、アイナーに脚部のモデルを頼みます。
ストッキングを身に着けた瞬間、アイナーは自らの女性性を自覚します。
ゲルダは女装したアイナー、“リリー”をモデルとした絵を描き画商から評価を受けます。
そしてアイナーはリリーとして過ごす時間が増え、絵を描くこともやめてしまいます。
ゲルダはアイナーを医者に診せますが、そこでは精神疾患という扱いしか受けませんでした。
ゲルダの絵に対する引き合いを機に、ゲルダとアイナーはパリに移ります。
やがてアイナーは性転換を決意し、ゲルダは献身的に彼を応援するのでした。
ロケ地はコペンハーゲンがメイン
映画「リリーのすべて」は、デンマーク・コペンハーゲンで多くの撮影を行っています。
他にもベルリン、イギリス、ノルウェイでも撮影を行っています。
今回はコペンハーゲンのロケ地を巡ってきました。
コペンハーゲンの名所で撮影を行っているため
映画のロケ地を見ながら、観光をまんべんなく出来ます。
一石二鳥😊
↓右上の四角いアイコンで地図を拡大できます。
コペンハーゲンのロケ地
ゲルダとアイナーが暮らす港 「ニューハウン(Nyhavn)」
“このゲルダとアイナーはコペンハーゲンの港にあるアパートに住んでいます。”
ロケ地は、コペンハーゲンで有名な観光地 ニューハウン(Nyhavn)。
映画ではニューハウンの港全体を使用し、1920年代のコペンハーゲンをを再現したそうです。
ニューハウンは、1673年に国王クリスチャン5世によって建設された小さな港。
ここは飲食店やアンティークショップなど、カラフルな建物が軒を連ねています。
コペンハーゲンで最も活気のある町です。
ゲルダとアイナーの家は、この通りにあるNyhavn 12のアパートです。
実際の住居のため、中には入れませんでしたが大きな扉がとても素敵な入り口でした。
ちなみに「人魚姫」などの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンも
この通りに住んでいたそうです。
展示会後に2人で帰宅する路地「スネアゲード(Snaregade)」
映画の序盤のシーン。
“アイナーの展示会の後にアイナーとゲルダが楽しそうに路地を歩いて帰宅します。
ここでゲルダは大きな声を出して、住民に怒られます。”
アイナーがダンサーで絵のモデル・ウラを訪ねる劇場「ステアカッセン(Stærekassen)」
“アイナーはダンサーで絵のモデルのウラに会いに劇場を訪れます。”
ステアカッセン(Stærekassen)は、コンゲンス・ニュートーフ(Kongens Nytorv)の王立劇場(Royal Danish Theater)に併設された劇場です。
舞台塔下のアーチ型の通路には、エイナル・ニールセン(Ejnar Nielsen)による大きなモザイクが飾られています。
これはヴェネツィアのモザイク工場で生産された 、300万枚のガラスで構成されています。
ゲルダが画商に自分の絵を持っていく際に通り過ぎる建物「旧証券取引所(Børsen)」
画商に絵を持っていく道の途中で、ゲルダは旧証券取引所(Børsen)の前を通り過ぎます。
旧証券取引所は水辺にある、17 世紀に建設された歴史的な建物。
ドラゴンの尾が絡み合った独特な形の尖塔でとても有名な建物です。
アドレス:1217 København K, Denmark [地図]
アイナーが“リリー”としてパーティーに参加する場所「シャルロッテンボー宮殿(Charlottenborg Palace)」
“アイナーは初めて女性の姿の”リリー”となり、パーティーに参加します。”
パーティ会場に使われたのは、シャルロッテンボー宮殿(Charlottenborg Palace)。
ここは1672 年に建てられた宮殿で、ニューハウンにある建物です。
現在は現代美術館として展示、公演、コンサートのプログラムが開催されています。
リリーと曖昧な関係を始める相手ヘンリックの家「ニーボーダー(Nyboder)」
“リリーはパーティで出会ったヘンリックと曖昧な関係になります。
後日、リリーはヘンリックの家を訪ねます。”
ヘンリックの家に使われたニーボーダー(Nyboder)は、かつての海軍兵舎の歴史的な長屋地区にあります。
ニーボーダーはデンマーク海軍とその家族、職員の住宅のために、クリスチャン4世によって計画され最初に建てられた住居です。
黄色い壁と橙色の屋根が印象的な建物。
パリのゲルダの自宅「フレデリクスゲード(Frederiksgade)」
“ゲルダの絵に対する引き合いを機に、ゲルダとアイナーはパリに移ります。”
映画の中でゲルダとアイナーはパリに移りますが、アパート外部のシーンはコペンハーゲンにあるパリに似た通りです。
奥に見える緑色のドームの建物は、フレデリック教会(Frederiks Kirke(Marmorkirken))。
18 世紀に建造されたルター派の教会で、北欧最大のドームを備えています。
多くの大理石でできていることから、マーブル教会(Marmorkirken)の愛称で親しまれています。
アイナーが調べ物をする図書館「コペンハーゲン大学(Copenhagen University)」
“アイナーはますます自分自身に混乱し、図書館で調べ物をします。”
この図書館は、コペンハーゲン大学にある読書室(Fiolstræde Læsesal Reading Room)です。
残念ながら一般に公開していないため、中を見ることはできませんでした。
アイナーが訪ねる教授の診療所「コペンハーゲン市庁舎(Copenhagen City Hall)」
“性転換手術を受けるために、アイナーはドイツのドレスデンへヴァルネクロス教授の診療所を訪れます。”
こちらのシーンも、コペンハーゲンにある建物で一部撮影しています。
ほんの短いシーンですが、アイナーと教授が話をしている部屋がコペンハーゲン市庁舎(Copenhagen City Hall)にあります。
コペンハーゲン市庁舎は1905 年に建設されました。
建築家 マーティン・ナイロップによるナショナル・ロマンティックスタイルの建築で、イタリアのシエナ市庁舎の影響を受けているそうです。
また、中にはイェンス オルセンの世界時計が所蔵されています。
まとめ
映画「リリーのすべて」は私のお気に入りの映画のひとつです。
物語の切さと、コペンハーゲンの風景が綺麗にマッチしています。
コペンハーゲンには、現代的な建物と歴史的な建物の両方があります。
美術館も多く、建築物好きな人も美術好きの人も楽しめる街です。
ぜひ映画をご覧になってから、コペンハーゲンの観光に行ってみてください。
きっとコペンハーゲンでの観光がさらに有意義なものになると思います。