カナダでの中古車の買い方と注意点【私が故障車を買って後悔した話】

カナダの暮らし

カナダでは、車は生活に欠かせない移動手段です。
特に都市部以外では、公共交通が十分でないため、
車がないと通勤や買い物に不便を感じることもあります。

私もカナダ生活に慣れてきた頃、「そろそろ必要かも」と思い、軽い気持ちで車を購入。
しかし結果的に、故障車を買ってしまうという失敗を経験しました

車の知識がほとんどなかった私は、何を基準に選ぶべきかも分からず、後悔することに…。

この記事では、同じような失敗を避けてほしいという思いから、
カナダでの車の買い方や中古車購入時の注意点を、実体験とあわせてご紹介します。

これから車を探す方の参考になれば嬉しいです!

この記事でわかること
・カナダでの車の購入方法(ディーラー・個人売買)
・中古車を購入する際に注意すべきポイント
・故障車を購入してしまった実体験と反省点

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実はカナダで車を持つのは初めてではなく、
全くの初心者というわけではありませんでした。

知り合いに色々と相談もしましたが、
「人任せにしすぎるのはダメだなぁ」と痛感した経験でした(笑)

一般的なカナダでの車の購入の仕方

まず、カナダで車を購入する一般的な方法は以下の2つです。

1. ディーラーでの購入(新車・中古車)
2. 個人売買(中古車・プライベートセール)
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ちなみに私は個人売買で購入しました。

それでは一つずつ解説していきます!

1.ディーラーでの購入(新車・中古車)

カナダにはトヨタやホンダ、日産などの正規ディーラーがあり、
新車だけでなく中古車も販売しています。

特徴

  • 正規の販売業者から購入する方法。新車・中古車ともに販売している。
  • ローンやリースのオプションが充実している。
  • 車の状態は整備済みで、保証もつくことが多い。
    (中古車でも認定中古車”Certified Pre-Owned”がある)
  • トレードイン可能、今乗っている車を下取りしてくれる。
  • 交渉術が必要。

 

購入の流れ

  1. 車を選ぶ(ディーラーのウェブサイトや店頭で確認)
  2. 価格交渉
  3. 契約・登録(州のルールに従い、登録&保険加入)
  4. 納車
メリット デメリット
  • 信頼性が高い
  • 保証付き
  • ローンやリースの選択肢が豊富
  • トレードイン(下取り)可能
  • 登録や保険手続きの代行
  • 価格が高め
  • 交渉が必要
  • ディーラー手数料がかかる

2. 個人売買(中古車・プライベートセール)

個人売買は、ディーラーを通さずに個人同士で車を売り買いする方法。
安く購入できる一方、保証やサポートがないため注意が必要です。

特徴

流れ

  1. 車を探す(Facebook Marketplace, Kijiji, Craigslist などのサイト)
  2. 試乗・状態チェック
  3. 価格交渉
  4. 売買契約(州によって “Bill of Sale” の作成が必要)
  5. 所有権移転・登録&保険加入
メリット デメリット
  • 価格が安い
  • 交渉がしやすい
  • シンプルな手続き
  • 保証がない
  • 詐欺のリスク:オドメーターの改ざん、未払いローン付き車両など注意が必要
  • Safety Inspection*が必要な場合が多い
  • 書類手続きは自分で準備

購入後の必要手続き

  1. 登録(Registration):州の交通局(例: ICBC, ServiceOntario, Registry)で所有者変更
  2. 保険加入(Insurance):保険がないと運転できません
  3. 車両安全検査Safety Inspection*:必要な場合は点検&合格が必須
    *アルバータ州、サスカチュワン州はSafety Inspection不要

 

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カナダでの車購入は、ディーラーが一番安心ですが、
予算を抑えたいなら個人売買が選択肢になります。
州によってルールが異なるので、購入前に必ず確認しましょう!

中古車を購入する際の注意点

中古車を購入する際に、気をつけるべきポイントは以下の5つです!

1. 車両の履歴を確認、VINチェックで履歴を確認する
2. 車の状態の確認、試乗またはメカニックによる点検(PPI)を行う
3. 売買の手続きを慎重に進める:Bill of Sale(売買契約書)を必ず作成
4. 購入方法別の注意点の確認

 

それでは、一つずつ解説していきます!

1. 車両の履歴を確認する

VIN(車両識別番号)のチェック
車の履歴を確認できる「CARFAX Canada」「ICBC(BC州)」などを利用して、事故歴、盗難歴、修理歴、リコール情報、ローン残高 などを調べましょう。

車両の履歴を調べるメリットは:
・試乗では見つかられなかった問題が明らかになる場合がある
・この追加情報があれば、価格交渉に大いに役立つ
・購入後、安心して車を使用することができる

オドメーター改ざんに注意
走行距離が極端に少なすぎる場合、オドメーターが改ざんされていないか履歴をチェックしましょう

 

車の車両歴が確認できるのは以下のサイトになります

2. 車の状態を確認する

試乗する
エンジンの異音や振動、ブレーキの効き具合、加速やハンドルの感触 などをチェック
高速道路と一般道の両方で試すとよいです

メカニックによる点検(PPI)
可能であれば信頼できる整備士に依頼し、購入前に隠れた不具合がないかチェックしてもらいましょう(Pre-Purchase Inspection, 通称PPI)

タイヤやブレーキの状態
タイヤの溝が十分あるか、偏摩耗がないか
ブレーキパッドやローターの摩耗具合をチェック

錆び・腐食のチェック
冬に塩をまく地域では、フレームやサスペンションのサビや腐食に注意

車の下部やエンジンルームを確認
オイル漏れや冷却水の漏れ がないかチェック

3. 売買の手続きを慎重に進める

売り手の信頼性を確認
ディーラーなら口コミや評判をチェック、
個人売買なら「Curbsider(違法業者)」に注意!
(個人のフリをして質の悪い車を売る業者)

Bill of Sale(売買契約書)を作成する
車の情報(VIN, 年式, 走行距離, 価格) を記載
両者の署名を入れておく

*参考リンク(アルバータ州):Standard bill of sale

州ごとの登録手続きと保険加入
州ごとに必要な手続きが異なるため、
購入後にすぐ登録と保険加入ができるか確認しておくと良いでしょう!

税金や手数料を考慮
州によっては中古車購入時に税金(PST/GST)や登録手数料がかかる場合があります。

4. 購入方法別の注意点

ディーラーで購入する場合
保証(Warranty)の有無を確認(Certified Pre-Owned なら安心)
販売価格に追加の手数料(Admin Fee など)がある場合がある

個人売買(Kijiji, Facebook Marketplace, Craigslist)
価格が安い分、自己責任での購入になるので購入する際は十分に注意してください!

・異常に安い価格には要注意
相場より明らかに安い車は、高確率で何かしらの問題あります。
詐欺や隠れた故障車の可能性も。価格に飛びつかず、必ず理由を確認。

・見ず知らずの第三者口座への送金はNG
e-TransferやPayPalなどで、名義の違う口座への送金を要求してくるのは危険。
代金の支払いは、車と引き換えに現金か確認できる方法で。

・車の履歴などを見せず、急かしてくる場合は警戒
「他にも見に来る人がいるから今すぐ買って」と急がせてくる場合、
冷静さを奪って契約を急がせる手口。落ち着いて一度持ち帰って判断を。

・連絡手段が一貫していない・名前がコロコロ変わる
最初はメール、次は別の電話番号やFacebookアカウントに誘導されるなど、
一貫性がない場合は詐欺の可能性あり。

【実体験】中古車を買ってすぐに故障!?その原因とは

2024年にカナダ・アルバータ州に移住しました。
(この移住については、また別の記事で詳しく書こうと思っています)

カナダでは、車がないと日常生活がかなり不便な地域も多くあります。
公共交通機関の治安があまり良くなかったり、冬はとても寒かったりするため、
移住してすぐに車探しを始めました。

FacebookやKijijiで中古車探し

探していたのは、予算$4,500〜$6,500(CAD)、走行距離200,000km以内の中古車。

この条件でも何台かは見つかりましたが、もっと条件の良い中古車、
例えば走行距離15万km以下の中古車や、日本車(Toyota, Honda, Nissanなど)を探すなら、
もう少し予算を上げる必要があります。

正直、予算が低すぎるかも…と心配していましたが、いくつか候補が上がってきました。

2013年式 Chevrolet Spark を購入

見つけたのは、走行距離17万km台・予算内・外装もそこそこキレイな1台

「これはお得かも!」と感じたのが、今思えば間違いの始まりでした…。
販売者は南アジア系の方。
こちらの希望に合ったコンパクトカーということもあり、当時はかなり魅力的に感じていました。

試乗は住宅街のみで、高速道路での走行はなし。
友人にも同行してもらい一緒に確認しましたが、特に異常には気づけませんでした。

「とにかく早く車が欲しい!」と焦っていた私は、深く考えずにその場で購入を決断してしまったのです…。

当時、私が見落としていたポイント
・VINチェックによるリコールの有無
・事故歴の確認 (盗難車かどうかは確認しましたが、履歴までは見ませんでした)
・外装チェック(よく見ると不自然な凹みがありました…)
・高速道路での試乗

購入から1ヶ月後、エンジンに不具合が…

車を購入してから1ヶ月ほどで、エンジンのエラーコードが表示されました。
その後、約3ヶ月後にはエンジンが正常にかからない状態に…。

整備工場に持ち込んだところ、エンジン内部に深刻な故障があると判明。
整備士さんによると、こういった車を見た目だけきれいにして販売する手口は、
実はよくあるとのことでした。

今さらですが、CarValidというサービスで車の履歴を確認したところ、
なんと事故歴&リコールの記録あり。完全に見落としていました…。

そしてその車の末路は…

整備士さんからの診断は、衝撃的なものでした。
「エンジン自体がかなりダメージを受けています。
修理ではなく、エンジン載せ替えのほうが現実的です。」

……え?エンジン載せ替えってそんな大ごと…?

その費用は約4,000ドル。
車両本体の価格を考えると、かなり高額な修理費用です。
悩みに悩んだ結果、その車は廃車にすることにしました。

この失敗を通して、中古車購入時に絶対に確認すべきポイントを痛感しました。

まとめ

中古車の購入方法は、目的やスキルに合わせて選ぶのがポイントです。
・車の知識があまりない、安心したい → ディーラー
・コスト重視&手間はある程度OK → 個人売買

中古車は、きちんと確認すればお得に手に入れることもできます。
焦らず冷静にチェックして、信頼できる車を選びましょう!

特に個人売買の場合は、履歴チェック(CarfaxやCarValid)や試乗、
VIN確認、第三者の目による点検を忘れずに。

不安がある場合は、購入前に整備士によるインスペクションを依頼するのがおすすめです!

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