ブリストルでバンクシーアート巡り【イギリスの暮らし】マップ付き

イギリスの暮らし

世界的に有名な覆面アーティスト・バンクシー。
彼はイギリスの西側に位置する街・ブリストルに1974年に誕生しました。

ブリストルは、ロンドンから車で2時間半ほどで行くことができます。
今回は、バンクシーが生まれ育った街・ブリストルへ彼の作品を観に行ってきました。

バンクシーとは?


バンクシーは壁にスプレーで絵を描き、ゲリラ的なスタイルで作品を残し、
またスプレーグラフィティ文化をアートとして広めた神出鬼没のアーティストです。

そのような特徴から、普通のアーティストとは一線を画し世界中の注目を集めています。

彼の特徴は
・人の前に一切姿を現さない
・本名を知る人はごく少数の彼の友人のみ
・社会風刺的な作品が多い


バンクシーは、主にストリート・アート、パブリック・アート、政治活動家として評価されています。

彼の作品の背景には反戦問題、パレスチナ問題、難民問題、人種問題、反資本主義など、政治的鋭い社会風刺や政治的メッセージが込められています。

またバンクシーのグラフィティ作品の大半は壁面に描かれるため、すぐに塗りつぶされてしまい、現存しているものは多くありません。

ブリストル・バンクシー作品マップ

今回は、ブリストル・バンクシーの作品マップを作成しました。
一つ一つの作品の解説は下記に記していますので、作品の概要を確認した上で、実際にブリストルへ足を運んでみて下さい。

↓右上の四角いアイコンで地図を拡大できます。

① Valentine’s Day – Barton Hill(2020年)


2020年2月13日、バレンタインデー前日にこの作品は突然現れました。

バレンタインをテーマにしたこの作品は、小さな子供が赤いバラを空中に飛ばしている様子が描かれています。
しかし現在は荒らし行為防止のカバーにより、この作品ほとんどの部分が見られなくなりました。

そしてこの作品が登場してから約2年後の2022年、作品は更新されました。

バールを持った仮面の男が追加され、人々が見ることができるように覆いを取り去り作品を解放しようとしているように見えます。

by: BristolLive

アドレス:Marsh Ln, Redfield, Bristol BS5 9SR [地図

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この作品は中心地から少し離れたところにあります。
お時間に余裕がある方は、訪れてみると良いかなと思います。

②Take the Money and Run– Montpelier Health Centre(1990年代前半)

この作品はバンクシーの初期作品の1つであり、現存する期間が最も長い作品です。

これはストリートアート同世代のInkieとMobzとのコラボレーションでした。
壁画には、カラフルな背景に囲まれた 3 人の泥棒のシルエットが描かれています。

アドレス:35 Bath Buildings, Montpelier, Bristol BS6 5PT[地図

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小さな駐車場の壁に描かれています。
バンクシー作品の中では珍しく、
ステンシルを使用していない作品となっております。

③Rose Rat Trap – Thomas Street North(2000年代前半)

バラとネズミ捕りの組み合わせは、対照的なイメージを一緒に見せることが多いバンクシーの特徴的な作品です。
この建物のオーナーは作品を気に入り、木製の保護フレームを上に置きました。

今まで何者かにより破壊されたこともありましたが、この保護フレームのおかげでこの作品は今でも残っています。

アドレス:26 Fremantle Square, Bristol BS6 5TN, United Kingdom[地図

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Thomas Streetの青い門の隣にあります。

④The Mild, Mild West – The Canteen, Stokes Croft(1999年)

こちらもまた初期の作品で、ストークス・クロフト(Stokes Croft)にあります。
この作品制作には3日間が費やされたそうです。

90年代後半のブリストルでは、市内での無許可パーティが多く開催されていました。

そして1997年の大晦日、ウィンターストークロードで開催されたパーティーにて機動隊とパーティー参加者でトラブルが発生しました。

1999年に現れたこの壁画は警官へのアプローチの一つで、
テディベアが3 人の機動隊に向かって、火炎瓶を投げている様子が描かれています。

リラックスしたヒッピー(テディベア)が、政府や商業化に対していかに反撃できるかを示しています。

アドレス:80 Stokes Croft, Bristol BS1 3QY, United Kingdom[地図

⑤Paint Pot Angel – Bristol Museum and Art Gallery(2009年)

2009年に展示会「Banksy vs Bristol Museum」がブリストル市立博物館・美術館(Bristol Museum and Art Gallery)にて開催されました。
この作品は、その時に展示されたものが常設展示となったものです。

バンクシーはこの展示会で
「これは納税者のお金が使われている場所で、私が行った最初のショーです。
 税金は作品をこすり落とすためではなく、飾るために使われています。

This is the first show I’ve ever done where taxpayers’ money is being used
to hang my pictures up rather than scrape them off.)」
との言葉を残しています。

その時の様子がこちらです↓

アドレス:Queens Rd, Bristol BS8 1RL[地図

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ブリストルとバンクシーの歴史を感じますよね。
作品はグラウンドフロアの階段横にあります。

⑥Well-hung Lover – Frogmore St(2006年)

ブリストルでは有名な作品です。

愛人の夫によって浮気が発見されるように見えた後、窓からぶら下がっている裸の男性をが描かれています。
この作品はフログモアストリート(Frogmore street)にある、当時 性感染症クリニックだった建物の壁に描かれました。

この作品が現れた頃、ブリストルの市議会はストリートアートを取り締まることを方針としていました。
しかし一部の市民は壁画を残し、街を明るくすべきだと主張していました。

市議会はこの壁画を維持すべきかどうかを問うオンライン投票を実施し、その結果回答者の97%が「維持すべき」を支持。

そしてこの壁画は、イギリスで最初の合法的なストリート アートとなったのです。

アドレス:1 Unity St, Bristol BS1 5HH[地図

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A4018からよくみることができます。
性感染症クリニックと不倫という組み合わせが
バンクシーらしいですね。

⑦You don’t need planning permission to build castles in the sky – Lower Lamb St(2011年)


この作品は2011年に描かれ、ブリストル大聖堂近くの小さな道路にあります。
バンクシーは、壁の開口部を組み合わせて笑顔を作り出していました。
(かつて、開口部は右と左の2つありました。)

「You don’t need planning permission to build castles in the sky
(空に城を建てるのに計画許可は必要ありません)」と書かれています。

アドレス:99 Lower Lamb St, Bristol BS1 5TL, United Kingdom[地図

⑧Grim Reaper and Tesco Petrol Bomb – M Shed

by: Bristol City Council

M Shed ミュージアム内には、バンクシーの作品が 2 点あります。

手漕ぎボートに乗ったバンクシーの死神(Grim Reaper)は、かつて人気のナイトクラブだったブリストル港に係留された HMS Thekla の右舷船体に描かれました。

アートワークの位置は、実際に死神が水を漕いでいるように見えていました。

Tesco Petrol Bomb by: Bristol City Council

また、あまり知られていないもう 1 つの作品が「テスコのガソリン爆弾(Tesco Petrol Bomb)」です。
この作品は、2011年のブリストル暴動で逮捕された人々への支援の表明です。

当時、ストークス クロフト地区にオープンした新しいテスコに人々は抗議していました。

そして抗議行動は暴力的になり、数名が逮捕されました。
バンクシーは販売用の版画を何枚か制作し、その利益を法的支援の費用を必要とする人々に寄付したのでした。

アドレス:Princes Wharf, Wapping Rd, Bristol BS1 4RN[地図

⑨The Girl with the Pierced Eardrum – Hanover Place(2014年)

「鼓膜に穴が開いた少女 (The Girl with the Pierced Eardrum)」は、
オランダを代表する画家フェルメールの「真珠の耳飾りの少女 (Girl with a Pearl Earring)」をバンクシーが表現した作品です。

この作品は、2014年10月にブリストル港にあるブリストル・マリーナの側に現れました。
少女のイヤリングを、屋外のセキュリティ アラームに置き換えています。

2020年4月新型コロナウィルス問題の渦中、この作品にマスクがつけられたことがBBCなど多くのメディアでニュースとなりました。

またロックダウンの規制が解除された現在は、このマスクは外されています。
誰が壁に貼ったのかは不明です。

アドレス:Hanover Pl, Bristol BS1 6UT[地図

Aachoo – Vale Street, Totterdown(2020年)おまけ

※この作品は現在は取り外されており、実物を見ることはできません。

2020年12月、トッターダウン(Totterdown)のカラフルな地区にある、英国で最も急勾配の住宅街の一番下の位置にこの作品は現れました。

女性がくしゃみをして入れ歯が飛び散る様子を示しており、新型コロナウィルスが関係していると考えられます。

しかし残念ながらこの作品は2021年3月に、クレーンを使って壁から作品を外されてしまいました

アドレス:1 Vale St, Totterdown, Bristol BS4 3BT[地図

まとめ

ブリストルの街にはバンクシー作品以外にも数多くのストリートアートが存在しいて、街全体がアーティスティックな雰囲気です。

街の中の移動にはバスもありますが、本数はあまりありません。
ブリストルの街の中にはレンタル電動スクーター voi がたくさんあります。
事前に登録し、散策にはvoiを使用するとかなり便利かもしれません。

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ブリストルは日帰り旅行にちょうど良い街の大きさです。
近くのバース(Bath)と合わせて、訪れてみるのはいかがでしょうか。

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